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動物取扱責任者とは?法改正後の資格を取得する方法

動物取扱責任者になるには?
ドッグトレーナー(またはペットシッター)の資格を取ったし、あとは独立開業するだけ!!
あずき
あずき
ちょと待って!ドッグトレーナーやペットシッターとして開業するときに必要となる動物取扱責任者の選任要件が令和2年6月1日変わっているけど、あなたは大丈夫?

ドッグトレーナーやペットシッター、トリミング、ペットショップなどを業として行う場合、事業所ごとに「動物取扱責任者」を置いて、役所に「第一種動物取扱業」の登録を行うことが動物の愛護及び管理に関する法律で定められています。
これまでは動物取扱責任者の選任要件は、いくつかのペット関連の資格を持っていれば要件を満たせる比較的緩い条件でしたが、今回の法改正では、資格に加えて実務経験が必要になるなど条件が厳しくなったので、これからドッグトレーナーやペットシッターとして独立開業しようと考えている人は、ご自身が動物取扱責任者となる条件を満たしているか確認しましょう。

第一種動物取扱業とは

「販売」「保管」「貸出し」「訓練」「展示」「競りあっせん」「譲受飼養」を営利を目的として営む場合は、「動物の愛護及び管理に関する法律」により、事前に第一種動物取扱業の登録を受ける必要があります。
登録をせずに第一種動物取扱業を営んだ場合、又は不正な手段で登録を受けた場合は、100万円以下の罰金に処せられますので、独立開業する際は事業所(個人の出張トレーナーなどの場合は事業所は自宅となるかと思います)の所在する管轄の保健所などに申請してください。
私の住む横浜市では、事業所の所在する区福祉保健センター生活衛生課が窓口となっていたので、区役所へ行って申請手続きを行いました。

ドッグトレーナーが該当する業種は?

動物取扱業は7つの業種に分けられています。
お客様のご自宅に訪問して、しつけやトレーニングを行う出張ドッグトレーナーは「訓練」という種別での登録になります。
また、出張ドッグトレーニングと合わせてペットシッターを行うような場合や、犬の保育園、幼稚園など預かり施設において、しつけやトレーニングを行う場合は「保管」も必要になります。ご自身の提供するサービスの形態に合わせて登録申請をしましょう。

動物取扱業の種別

販売 ペットショップ
ブリーダー
保管 ペットホテル
トリミングサロン
ペットシッター
貸出し ペットレンタル
タレント・撮影モデルや繁殖用の動物派遣業者
訓練 ドッグトレーナー
動物訓練士
動物調教師
展示 動物園
水族館
移動動物園など
競りあっせん 動物オークションを行う事業者(会場を設けて行う場合)
譲受飼養 老犬・老猫ホーム

なお、対象動物は哺乳類・鳥類・爬虫類(実験動物・畜産動物等を除く)となっています。

動物取扱責任者とは

ドッグトレーナーやペットシッター、トリミング、ペットショップなど第一種動物取扱業を行う場合は、事業所ごとに動物取扱責任者を置くことが動物の愛護及び管理に関する法律に定められています。

そのため、第一種動物取扱業を行う場合には「動物取扱責任者」を探す必要がありますが、個人でドッグトレーナーやペットシッターとして開業する場合は、ご自身が「動物取扱責任者」になる必要があります。
また、動物取扱責任者には、地方自治体が開催する動物取扱責任者研修を受講することが義務づけられています。

では、動物取扱責任者となるためには、どのような条件があるのでしょうか?
冒頭でもお伝えした通り、令和2年6月に選任要件が厳しくなったので、しっかりと確認しておくことをおすすめします。

法改正後の動物取扱責任者の選任要件

令和2年6月1日施行の改正動物愛護管理法により、動物取扱責任者の資格要件が厳しくなったので、次の3つの要件について詳しく解説していきたいと思います。

1)獣医師又は愛玩動物看護師であること

2)教育機関を卒業+6ヵ月以上の実務経験

3)資格+6ヵ月以上の実務経験

獣医師又は愛玩動物看護師であること

国家資格である獣医師、愛玩動物看護士の免許を取得している場合は、その資格のみで動物取扱責任者の選任要件を満たすことができます。

教育機関を卒業+6ヵ月以上の実務経験

ここで言う教育機関とは、登録申請する第一種動物取扱業の種別に係る知識及び技術について1年間以上教育する学校法人などが該当します。それらの教育機関を卒業し、申請業種に関する半年以上の実務経験(常勤の職員として)または、取り扱おうとする動物の種類ごとに実務経験と同等と認められる1年以上の飼養に従事した経験が必要です。

資格+6ヵ月以上の実務経験

ここでの「資格」は、公平性・専門性を持った団体が行う客観的な試験によって、申請業種に係る知識や技術を習得していることの証明となるものが求められます。
具体的に犬に関わる資格の例を下記にまとめておきます。(掲載しているのは一例です。ご自身がお持ちの資格が動物取扱責任者の要件として認められるものかどうかは各自治体にご確認ください)

知識及び技術を習得していることの証明資格の例

※資格証明書の原本とコピーが必要です。

認められる業種の一例
愛玩動物飼養管理士1・2級(公益社団法人日本愛玩動物協会) 販売、保管、貸出、訓練、展示
家庭動物管理士(一般社団法人全国ペット協会)
(平成27年度以降、家庭動物販売士から名称変更)
販売、保管、貸出、展示
GCT(Good Citizen Test、優良家庭犬普及協会) 保管、訓練
JAHA認定家庭犬しつけインストラクター(公益社団法人日本動物病院福祉協会) 販売、保管、貸出、訓練、展示
公認訓練士(公益社団法人日本警察犬協会)、公認訓練士(一般社団法人ジャパンケネルクラブ) 保管、訓練
愛犬飼育管理士(一般社団法人ジャパンケネルクラブ) 販売、保管、貸出、訓練、展示
家庭犬訓練士初級・中級・上級・教師(全日本動物専門教育協会) 販売、保管、貸出、訓練、展示
ペットシッター士(特定非営利活動法人日本ペットシッター協会)
平成21年4月1日以降に取得したものに限る
保管、訓練
認定ペットシッター(ペットシッタースクール) 保管、訓練

それらの資格と合わせて、申請業種に関する半年以上の実務経験(常勤の職員として)または、取り扱おうとする動物の種類ごとに実務経験と同等と認められる1年以上の飼養に従事した経験が必要です。

私の住んでいる横浜市のサイトの「第一種動物取扱業の登録、変更、廃業について」のページを確認すると、ここで言われている「飼養に従事した経験」には、一般家庭での単なるペットとしての飼養経験は認められていません。具体的には「雇用関係が発生しない形(師弟関係やボランティア等)や常勤ではない雇用形態等において、動物取扱業者と同等と認められる飼養に従事した経験が必要」とされています。

横浜市は飼養経験を証明する書類として「動物取扱業飼養従事経験証明書(参考様式)(PDF:114KB)」の提出が求められています。東京都は申請前に事前に電話で確認との記載がありました。各自治体によって認定する飼養経験の条件が異なっている可能性があります。また書類や手続き方法などもそれぞれです。申請前にご自身の自治体のホームページなどを早めに確認しておくことをおすすめします。

第一種動物取扱業の申請手数料

横浜市の場合の登録手数料は、1業種15,000円です。
※登録手数料も自治体によって金額が異なります。

お客様のご自宅に伺って、出張トレーニングのみを行う場合は「訓練」の1業種のみ。
出張トレーニングとペットシッターを兼業する場合は、「訓練」と「保管」の2業種が必要になります。
例:「訓練」と「保管」の2業種で、15,000×2=30,000円
(東京都の場合は、2業種同時申請の場合は、25,000円になるそうです)

まとめ

令和2年6月に変更となった動物取扱責任者の選任要件については以上です。
私の知り合いでも、1か月後に開業を考えていて「第一種動物取扱業の登録をしよう」と言った段階で「実務経験がない!」ということに気が付いて、開業を延期した人もいます。各自治体によって、認められる資格や経験の条件、必要書類など、異なる場合がありますので、開業を考えている方は早めに確認しておきましょう。